飛鳥山動物病院 徒然日記

飛鳥山動物病院のスタッフブログです!

セミナー参加報告(体幹のヘルニア/2層並置縫合)

本日、上野で開催された外科セミナーに参加しました

講師:中島尚志 先生 (HJS)

テーマ:体幹のヘルニア・会陰ヘルニア/2層並置縫合実習

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体幹のヘルニア???

飼い主様には聞きなれない名前ですよね。

 

腹部内臓が(腹膜で覆われたまま)腹の壁に生じたすきまから飛び出した状態」

これを体幹のヘルニアと呼びます。

多くは生まれつきの要因が発生に関与しますが

一部は外傷などの後天的要因でも起こります。

 

発生した穴の部位や病態により、

鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、会陰ヘルニア…などの名前がつきます。

 

体幹のヘルニアで、特に注意すべきはその併発疾患です。

体幹ヘルニアそのものでは命に関わらないが、

 併発している疾患を見落とすと、時に重症化することもある」と言われています。

 

今回外科治療のエキスパートでいらっしゃる中島先生から、

体幹のヘルニアについての病態・診断法・対処法を詳細にご講演いただき、

見逃してはいけない併発疾患についてもご解説いただきました。

明日以降の診療に役立てていきたいと思います。

 

また、今回の実習は「2層並置縫合」でした!

食道など、壁の薄い管腔構造を閉鎖する際に使用される手法です。

ちなみに…写真の縫合されている白い物体…なんだかおわかりになりますか?

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なんと、湿布です!

びっくりされると思いますが、

これ、外科練習用の組織としてかなりGoodなんだそうです。

今晩は、湿布ちくちくする実習でしたが、これもとっても勉強になりました!

 

獣医師 川口