飛鳥山動物病院 徒然日記

飛鳥山動物病院のスタッフブログです!

文献紹介 (犬の神経障害性疼痛の管理)

Moore SA.
"Managing Neuropathic Pain in Dogs."
Front Vet Sci. 2016.Feb 22;3:12. doi: 10.3389/fvets.2016.00012. eCollection 2016.

PMID: 26942185

タイトル:犬の神経障害性疼痛の管理
==アブストラクト===

 神経障害性疼痛は体性感覚の障害に起因し、人の医療において慢性の神経系・筋骨格系疾患の一般的症状である。しかし獣医学領域において、神経障害性疼痛の有無は正しく評価されていない。これは、神経障害性疼痛の判定が自己申告に依存し、獣医師は患者から自己報告が受けられないためである。神経障害性疼痛の発生には複数の事象が関与しており、その概念の説明に誤認識を招く恐れがあるため一般的な獣医学教育カリキュラムではほとんど取り扱われない。このレビューの目的は、神経障害性疼痛の病態生理における基本的な概念を議論し、関連する臨床用語の定義づけを提案し、イヌへの薬理学的治療オプションを論議することである。
 神経因性疼痛の発生には、異所性求心性神経活動、末梢感作、中枢感作、阻害調節の障害、およびミクログリアの病理学的活性化など複数の重要な機序が関与している。疼痛軽減を目的とする薬は、これらのメカニズムの1つまたは複数を対象として作用するものである。小動物臨床の現場においていくつかの薬物が実際に使用されており、ガバペンチン、プレガバリン、アマンタジン、およびアミトリプチリンがその代表である。各薬物のイヌへの作用機序・薬物動態については、そのほとんどが人の文献に根拠が依存しており、小動物臨床において当該薬物を検証した文献は現在ごくわずかである。今後の研究では、神経障害性疼痛をより詳細に記録し、治療反応を客観的に評価する方法が求められるだろう。

キーワード:痛み
 ; 知覚過敏; 神経障害性疼痛脊髄損傷

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26942185

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4762016/

 

<コメント>

本文を読んだら、薬剤について後日追記する予定です。