研修参加報告 (埼玉動物医療センター)
本日も、埼玉県の2次診療施設で研修させていただきました。
研修先:埼玉動物医療センター(埼玉県入間)
指導教官:石川先生(同センター副院長 / 総合診療科主任)他 勤務獣医師の方々
本日もたくさんアドバイスをいただきました
お忙しい中、勤務医のみなさん本当にありがとうございました。
当日学んだ内容について、少しだけご紹介いたします。
定位放射線療法 (SBRT)という治療について、ご紹介します。
「ガンマナイフ」とも呼ばれています。
CT/MRIなど画像診断装置の性能が向上したことや、
検査施設が増加したことで、頭蓋骨の内側などの
なかなか発見しづらい部位の病気が検出しやすくなりました。
しかし、発見したものの治療が困難なことも少なくありません。
例えば脳腫瘍を例にあげると
「手術しようにも、メスが届かない部位で無理」といったケースです。
ガンマナイフ療法は、放射線ビームを特定部位に照射する治療です。
メスが届かない脳腫瘍へも、アプローチができます。
詳しい資料は、下記リンクをご参照ください
https://www.vetmed.hokudai.ac.jp/VMTH/HUVAROS-HP.pdf
しかし難点があります。
ガンマナイフ治療は、とても特殊な医療設備と技術が必要なため、
国内では1地点のみ、北海道大学でしか実施されていません。
埼玉動物医療センターでは、飼い主様のご希望にあわせて
専門スタッフさんたちの連携のもと
北海道大学でのガンマナイフ治療がご紹介されていました。
実際にガンマナイフ治療を受けたご家族の話もお聞きしました。
照射から半年たちますが、わんちゃんは今も元気いっぱい!だそうで
「北海道へ行ってよかった!」と笑顔でお話くださいました。
日々、様々な治療法が確立されます。
それに伴い、治療の選択にも多様化が進んでいます。
動物さんにとって、ご家族にとって、どのような治療がいいのか?
期待される治療効果、動物さんの生活の質、費用…など
様々な面を考慮する必要があり、当院では
ご家族にあわせて、オーダーメイドのご相談をする必要があると考えています。
今回、埼玉動物医療センターで学ばせていただいたことを
明日以降の診療に役立てていきたいと思います。
獣医師 川口
注意
本投稿は、特定の治療のみを推奨する内容ではありません。
ガンマナイフ療法のみが脳腫瘍に優れた効果をもつわけではなく、
また、脳腫瘍の全てがガンマナイフ療法の適応というわけでもありません。
どのような病態で、定位放射線療法が適切なのかについては
当該記事のみでご判断されず、かならず当院またはかかりつけの先生に
ご相談するようお願いいたします。