セミナー参加報告書(会陰・肛門の外科 中島先生)
先日、上野にて開催された外科実習セミナーに
勤務動物病院のご厚意により、参加させていただきました
主催:HJS
講師:中島先生
テーマ:肛門会陰の外科 端々吻合実習
今回の講演で紹介された疾患のなかで、
「会陰ヘルニア」について注目して、ご紹介いたします
会陰ヘルニアとは?
お尻周囲の筋肉が弱くなり、形成されてしまった隙間から
腹腔内臓器が外に出てきてしまう病気です
やがて便秘やしぶりを発症し、重症化すると
排尿障害や腸の壊死を併発して命に関わります
主に、去勢手術をしていない、老齢のわんちゃんに発生します
会陰ヘルニアは進行する疾患です
お薬の治療や、定期的な便を出す処置では完治できません
唯一完治が見込める方法は手術です
会陰ヘルニアの手術には、様々な方法が存在します
この理由は、手術をしても再発してしまうことがあるためです
「どのような手術方法がより再発しないのか?」という研究が幾度も行われ、
複数の手術手技が提唱されています
なお、会陰ヘルニアは去勢手術により発生頻度が減少します
健康で長生きするために、「会陰ヘルニア予防」という意味でも
去勢手術はとても大切なんです
今回のセミナーでは、症例の状態、
(筋肉の消失具合や脆弱性、ヘルニア孔の大きさ、
他の併発疾患の有無、直腸の筋層消失の有無など)
をしっかりと評価したうえで、
その子に合わせた会陰ヘルニア整復法を選ぶことについて
中島先生より、詳細にご講演いただきました
会陰ヘルニアにお困りの患者様・ご家族のお力になれるよう努めたいと思います
獣医師 川口