飛鳥山動物病院 徒然日記

飛鳥山動物病院のスタッフブログです!

マダニウイルスについて(17.10/13更新)

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【マダニウイルスについて】

 

2017年7月、TVニュースでショッキングな情報が公開されました。

「野良猫に噛まれた女性が、マダニウイルスにより死亡した」という内容です。

マダニウイルス 動物から初の感染例か 50代女性死亡 | NHKニュース

 加えて、同年10月にも、マダニウイルス感染のニュースが報じられました。

マダニ媒介ウイルス ペットの犬から人に感染 国内で初 | NHKニュース

 

重症熱性血小板減少症候群( SFTS)を起こすウイルス、

通称「マダニウイルス」は、人が感染すると重症化し、

命を落とすこともある怖い病気です。

2013年1月に始めて国内で感染報告がされて以降、

2017年7月までに266人が発症し、57人の方が亡くなっています。

 

今まで、SFTSウイルスは「マダニに咬まれて感染する」とされていました。

しかし、今回のニュース情報によれば

「野良猫に咬まれて感染」「ペットの犬から感染」したかもしれないのです。

 

このようなニュースが流れれば、

みなさん、不安になると思います。

「今、家の猫に咬まれたら、命に関わるのだろうか?」

「ペットと暮らすと危険なのかしら?」と。

 

この疾患についての詳しい情報を、厚生労働省がQ&Aにまとめてくれています。

インターネット・TV番組の情報も、一部が錯綜しパニックの様相で、

「ペットの餌やりすら危険」などと報道している状態です。

 

詳細については、まずは下記厚生労働局URLにアクセスし、

ご自身で一度確認されることをおすすめいたします。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html

 

上記2017年10/13現在の、厚生労働局の情報をまとめると…

①「感染動物の体液に直接触れれば、マダニを介さず、人へ感染するかもしれない」

②「しかし、元気な動物・屋内飼育動物から感染することは、まずない」

③「感染動物から、本当に人へ伝染するのか不明 (違うかもしれない)」

とされています。

 

今年10月の厚生労働局の発表も

「飼い主にマダニに咬まれた痕跡が見つけられないので、

 きっとペットから感染したはず」という判断であり、

では、どうやって感染したのか?

そもそも、ウイルスが飼い主と犬から分離同定されたのか?

などの情報は、明らかにされていません。

 

もし、マダニウイルスの対策について、すこしでもご不安・ご心配な点があれば、

まずは、お近くの動物病院の先生にご相談なさってください。

 

SFTS感染に関して、情報も日々新しく更新されています。

引き続き、常に新しい情報に気を配るとともに、

皆様が不要なパニックに陥らないで済むよう、適切な情報発信を努めてまいります。

 

念のため、お外にでる動物さんには、マダニ対策をおすすめいたします。

マダニの対策方法についても、ご来院の際にスタッフまでお問い合わせください。

 

また、詳しい情報が入り次第更新いたします。

獣医師 川口