飛鳥山動物病院 徒然日記

飛鳥山動物病院のスタッフブログです!

飛鳥山ってどんなとこ?(飛鳥山公園について)

今日は「飛鳥山公園」をご紹介いたします。

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新緑美しい、飛鳥山公園の写真です。

 

このブログを読んでくださる方から、

「そもそも、飛鳥山ってどんなとこなの?」

そんなご意見いただきました。

本当に、素敵な地域なんですよ。

 

地域名由来は、「飛鳥山公園」から。

この公園は "暴れん坊将軍"として?有名な江戸幕府将軍、

徳川吉宗が整備した桜の名所です。

江戸時代は、桜の花見場所は風紀・治安が悪く、

市民の方は安心してお花見はできませんでした。

そこで、「桜を安心して楽しめるように」と吉宗が設立したのが

この「飛鳥山公園」なんです。

 

都内の公園には珍しく、緑が豊富です。

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都内の駅前公園ですが、とても癒されます。

 

小さいお子さんが遊べるように、遊具もたくさんあります。

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子供が遊べる「SL機関車D51」も設置されています!

運転席にも入れるので、子供は大喜びです!

まるで、鉄道博物館ですね。

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公園の小高い場所からは、併設して走る京浜東北線を見ることもできます。

(これも小さい子供は喜びますね!)

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この日も、電車をみたい!という小さいお子さん連れで賑わっていました

 

博物館といえば、実は飛鳥山公園には3つの博物館が併設されています。

・北区飛鳥山博物館(郷土資料を主に展示しています)

・紙の博物館(この近隣に日本初の洋紙工場があったことから)

・渋沢資料館(理化学研究所の創設者)

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この日は、紙の博物館で「折り紙展」をしていました。ぜひ見てみたいですね。

 

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渋沢栄一博物館では、「飛鳥山邸」の展示をしていました。

 

当院にいらっしゃる時は、ぜひ飛鳥山公園にも足を運んでみてください!

本当に素敵な場所ですよ。

私は、惚れ込んでいます(笑)

 

飛鳥山動物病院 代表

川口

 

 

ナチちゃん

ナチは柴犬の女の子です。実家で一緒に暮らしていました。

 

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私が高校生の時にペットショップで一目惚れし、

家族に迎え入れました。

 

小さい時からとってもお散歩とゴハンが大好き!

おてんば娘の、甘えん坊な柴犬でした。

 

家族以外でも好きな人が来ると、

耳をペタッと寝かせてキャンキャン鳴いて

うれしそうに飛びついて大歓迎していました。

 

きっと今も天国で走り回って、美味しいご飯を食べて

時々私たちを見守ってくれていると信じています。

 

私達のところに来てくれてありがとう (๑╯ω╰๑)!

ナチ、これからも変わらず大好きだよ。

 

トリマー 三浦

日本橋のかつおぶし

日本橋かつおぶし」

私が、すこしほっこりした、飼い主様からのお話です。

 

あるご夫婦の大切な猫ちゃんが、

病気でごはんを食べなくなってしまいました。

 

ご夫婦にはお孫さんがいます。

埼玉の遠方に住む、小学生の男の子です。

普段から、時々遊びに来ていたそうです。

 

男の子は、その猫ちゃんが大好き!

でも、その猫ちゃんは、男の子が大嫌い!(笑)。

来るのがわかると、いっつも怒って、姿を隠してしまうそうなんですが

男の子はそれでも、好きで好きでたまらなかったそうです。

 

そんな、大好きな猫ちゃんが、体調不良で食べられないと聞いて、

なんとかしてあげたい、と思った男の子。

ここからの行動力、すごいです。

 

「関東一おいしいかつおぶしなら、きっと食べるはず!」と、

一生懸命にお店をさがし、見つけ出したお店

東京日本橋にある、老舗の高級かつおぶし販売店『大和屋』

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ここは、俳優の里見浩太朗さん行きつけの高級鰹節を取り扱うお店。

このお店を調べあげると、なんと自分で埼玉から日本橋まで出向き、

その猫ちゃんのためにかつおぶしを購入。

手に入れた高級かつおぶしを手に、お見舞いに向かったそうなのです。

 

TV番組「はじめてのお使い」をはるかに凌ぐ行動力です。

 

男の子が、この高級かつおぶしをお見舞いに持って行ったところ、

他には何にもたべなかった猫ちゃんが、

なんと、ぺろりと平らげてくれたそうです!

 

きっと、とってもおいしくて、

そして、男の子のやさしさが、うれしかったんでしょうね。

 

そして、それを機に、猫ちゃんは男の子のことが、

とっても大好きになりました。

自宅へお見舞いに行くと、男の子を玄関までお出迎えして

スリスリしてくるくらいにです。

 

残念ながら、その後猫ちゃんは亡くなってしまうのですが、

晩年は、男の子が差し入れる「かつおぶし」を食べ、

大好きな男の子に撫でてもらいながら、穏やかな毎日だったそうです

 

大好きな猫ちゃんのために、日本橋かつおぶしを手に入れる。

そんな小学生の愛情深さに、すこし胸がジーンとしました。

 

今度私も、大和屋のかつおぶし、買いに行ってみたいと思います。

 

獣医師 川口

 

 

 

 

研修参加報告(埼玉動物医療センター)

本日も、勤務動物病院のご配慮により、

2次診療施設で研修させていただきました。

研修先:埼玉動物医療センター(入間)

指導教官:石川先生(同センター副院長)

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今日も多くの症例を通じて、たくさんの勉強をさせていただきました。

 

 

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また、埼玉動物医療センターの先生方と

日々の悩ましい症例について相談するお時間もいただきました。

(写真はパワーポイントを通じて、先生方に症例相談をしているところです)

 

今回も大変勉強になりました。

明日以降の診療に役立てていきたいと思います。

 

飛鳥山動物病院

獣医師 川口

文献紹介(犬の出血性下痢症候群)

【文献・犬・消化器】

犬の急性出血性下痢症と C.perfringensの消化管内増殖には相関があるかもしれない(2014年・PMID4895553) 

Unterer, et al. “Endoscopically Visualized Lesions, Histrogic Findings, and Bacterial Invasion in the Gastrointestional Mucosa of Dogs with Acute Hemorrhagic Diarrhea Syndrome” Jornal of Veterinary Internal Medicine.28(1) 52-58

 

PubMedリンク

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4895553/

本文:無料公開(PDF)

 

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==アブストラクト==

<背景>

イヌの出血性胃腸炎(HGE)症候群の病因は不明であり、

病理組織学的検査および微生物検査は剖検例でわずかに実施されるのみである。

 

<目的>

犬HGEの特徴的な粘膜病変(肉眼/組織学的)を特定し、原因菌種を同定すること。

 

<動物>

HGEと診断された犬10頭およびコントロール犬11頭。

事前に抗生物質が投与された犬と、

出血性下痢の原因に他の基礎疾患が診断された犬は除外された。

 

<方法>

HGEの犬 10頭に消化管生検を実施し、WSAVAガイドラインに従って評価した。

クロストリジウム属およびパルボウイルスの存在を組織学的/免疫化学的に調査した。

培養には、滅菌鉗子で採取した十二指腸生検組織を利用した。

 

<結果>

粘膜病変は、腸でのみ認められ、胃には見られなかった。

 

Clostridium perfringens が、全てのHGE犬の小腸粘膜表層で多量に検出された。

対照群では、C. perfringensは11頭中1頭のみでしか検出されなかった。

 

<著者の考察>

この研究は、C.perfringensと急性出血性下痢との相関性を示唆している。

病変が胃に存在しないことから、「出血性胃腸炎HGE」という用語は、

「急性出血性下痢症候群」と改める必要性があるのではないか。

 

ド:急性出血性下痢症候群、血性下痢、C. perfringens、出血性胃腸炎

 

<コメント>

はい、とあるブログのまねっこです(笑)

でも、まねっこでも勉強になるし、

私もできる限り(開業するなら、なおさら)文献も読まねばと思っています。

 

今回の文献は

「出血性大腸炎の紹介って、ものすごく古い専門書にはあるけれど

現在の獣医内科学ではどのような位置づけなんだろうか?」

という素朴な疑問で調べたのが、とりあげた理由です。

 

文献のアブストラクトでは

C.perfringensと急性出血性下痢に相関性あり」とあります。

 

しかし、そもそもC.perfringens

健康な哺乳類の消化管内には存在している菌ですから、

これが同定されたから、急性出血性下痢の原因として考えていいのだろうか?

と、途中からは別の疑問を抱いて、この文献を読ませていただきました。

 

著者の考察によれば

「急性出血性下痢の犬で、すべての十二指腸粘膜表面に、

 C.perfringensが多量に認められたが、対照群にはほとんど見られなかった。

統計学的に優位な差が見られた)

 加えて、十二指腸粘膜の細菌叢は、個体により異なるはず。

 だから、C.perfringensの単一増殖と出血性下痢には、相関があるに違いない。」

でも、C.perfringensの増殖が、病気の原因なのか二次的変化かはわからない。

とのことでした。

 

また、詳しい紹介は割愛しますが、別の報告では

急性出血性下痢の原因として、C.perfringens以外にも

サルモネラカンピロバクターのような腸粘膜侵入性細菌が関与する説や

腸内のアレルギー反応が関与するとの説もあります。

 

この文献だけで

「急性出血性下痢の原因はC.perfringensだ!」とは言えないようです。

複合的な要因があるのかもしれません。

 

いずれにせよ、この「犬の出血性下痢症候群」は、

適切な応急処置が実施されないと、命に関わる疾患であり、

まずは迅速な救命処置を実施することが肝要であることを、再認識しました。

明日以降のの治療に役立てていきたいと思います。

 

<ご注意ください>

このブログ内で紹介している学術情報は、

随時新しい情報・適切な文章に訂正加筆される可能性があります。

特に一般の飼い主様は、このブログ内の情報を鵜呑みにせずに、

必ずかかりつけの動物病院にご相談・ご確認されるようお願いいたします。

 

獣医師 川口

 

 

「Yes, and...」で行うミーティング

当院では (まだ開業前なのに、すこし奇妙ですが)

定期的にスタッフミーティングを実施しています。

 

複数メンバーによるチーム医療の質を高めるには

個々の力を育てることはもちろんですが、

お互いに協力しあう礎作りも重要だと、当院は考えるからです。

 

ただ、価値観も考え方も違うメンバーが集まって

何か一つのテーマで話合うことは、簡単ではありません。

 

よくやってしまいがちな失敗が

「いや、それは違うよ」「でも、そうじゃないよ」

といった、相手の意見を否定していく論法で会議がすすむこと。

この手法は、一見活発に話し合いがなされているように見えますが、

結果として、建設的なアイディアが生まれるよりも前に、

感情論のケンカになってしまうことも少なくありません。

 

そこで、当院のスタッフミーティングでは

一つ、ルールを設けています。それは、

 

「Yes, and..(いいね、それならこうしたらどうかな)」と発言する

 

詳しい手法は、この動画を見ていただくとわかりやすいと思います。

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スタンフォード白熱教室(抜粋)ブレストのコツ「Yes, And」 - YouTube

 

この授業で講師をされているのは、

スタンフォード大学のエグゼクティブコースで教鞭をとられている、

ティナシーリグ先生です。

このエグゼクティブコース受講生から、

GoogleFacebookといった世界規模の企業で

クリエィティブな経営マネジメントを実践しているスタッフが

数多く生み出されており、

当院でも「よりクリエイティブな仕事ができるように!」と

積極的に彼女の考え方を取り入れようと考えております。

 

実際にこの「Yes, and」ルールを実践しながら会議すると、

今までが嘘に思えるくらい、

クリエイティブでワクワクする案が生まれます。

また、参加するスタッフもわいわいと笑顔で会議してくれるのです。

 

こういう楽しい雰囲気の会議は、スタッフのモチベーションを持ち上げ、

飼い主様へ還元するサービスを豊かにすることにつながる、と思っています。

 

さぁ、次回はどんな素敵なアイディアが飛び出すのか、

今から会議が楽しみです。

 

飛鳥山動物病院 代表

川口

文献紹介ブログのご案内(獣医療関係者向け)

<文献紹介ブログのご案内>

私がお世話になっている、二次診療施設の獣医さんが

獣医療関係者向けの文献紹介ブログを開設されました。

 

ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

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飼い主様には少し難しい内容ばかりですが、

獣医さん(特に勤務医や開業医)にとって、とてもありがたいサイトです。

(写真は私の家の猫で、ブログとは関係ありません)

 

獣医療は日々進歩・変化しています。

その都度、新しい情報を基に知識をブラッシュアップしていく必要があるのですが、

その情報のほとんどが「英語文献」です。

 

ですから、新しいことを調べようとすると

(私のようにあまり英語が得意でない場合)

英語辞書片手に、うーんうーん悩みながら読み進める必要があるのです。

 

そこで、

小動物医療の臨床現場で役立つ論文情報を

 日本語で蓄積して、簡単に検索できるように」と

このブログを開設されたそうなのです。大変心強いです。

 

せっかくのすばらしいブログですから、

飛鳥山動物病院ブログを閲覧された方(特に獣医さん)に

ぜひおすすめしたく、ご紹介いたします。

もしよければ、ご確認ください。

 

獣医師 川口