飛鳥山動物病院 徒然日記

飛鳥山動物病院のスタッフブログです!

セミナー参加報告(臨床病理 小笠原先生)

先日、勤務病院(本庄犬猫病院)のご配慮により、

「あさか台動物病院」さんにて開催された、学術セミナーに参加しました。

講師:小笠原 聖悟 先生

テーマ:臨床病理 症例ラウンド

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「臨床病理学」というのは、

普段の診療中(臨床)にて行われる各種検査から、

疑われる病態を検討していく医療学問です

通常、血液検査・便尿検査・細胞診断検査を通じて

患者さんの状況を推測していきます

 

診断が難しい症例というのは、

その検査結果が判読しづらい場合と、

検査結果で推論される病態が複雑な場合があります

 

そのような、教科書的な「典型例」とは異なる症例を集めて、

専門家のアドバイスをいただきながら、症例を検討するのが

今回のテーマ「臨床病理 症例ラウンド」です

 

 

本日もとても勉強になるラウンドでした

また明日以降の臨床検査に役立てていきたいと思います

 

獣医師 川口

 

 

セミナー参加報告(高齢期の予防医療 小澤先生)

先日、群馬前橋で開催された学術セミナーに参加しました。

講師:小澤 真希子 先生(東京大学特任教員)

テーマ:高齢期のイヌとネコのための予防医療(認知機能不全と腎臓病)

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認知機能不全とは、いわゆる「認知症」「痴呆」と呼ばれる、

高齢期に認められる行動の変化のことです

 

多くの場合、以下の症状が認められるようになります

 

昼間寝てばかりいて、夜になると活動的になる

いつまでも吠える

トイレを失敗する

家の中を徘徊する

部屋の隅で動けなくなる

 

飼い主様の呼びかけに、反応しなくなる

 

残念なことに、認知障害は加齢性の変化であり

治すことはできません

しかし、周囲の環境や少しの工夫で、

認知障害の子と、うまくつきあっていくことは目指せます

(その具体的な対策については、別のコラムでご紹介予定ですので、

 ここでは、割愛します)

 

今回のセミナーでは、どのように高齢期と向き合えばいいのか?をテーマに

動物行動に関して専門でいらっしゃる小澤先生より、

詳細にご講演いただきました。

明日以降の診療に役立てていきたいと思います

 

獣医師 川口

 

 

 

セミナー参加報告(犬と猫の外傷性脱臼 獣医麻酔外科学会)

 先日、品川にて開催された学術セミナーに参加しました。

主催:獣医麻酔外科学会

テーマ:犬と猫の外傷性脱臼

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「脱臼」と聞くと、みなさんはどんなイメージをお持ちですか?

多くの方は「はめて戻せば、すぐ治るもの」と考えるのではないでしょうか

しかし、犬と猫の脱臼、そううまくはいかないのです。

 

これには理由があります

それは、犬・猫の脱臼の多くが、

「もともと関節自体がおかしくて、その結果外れる」からです

 

生まれつきの関節や靭帯の異常、

関節が変形していく病気などが先に存在し、

そこに外傷が加わって、脱臼をおこします

ですので、ただ元の位置にもどして固定しても

関節や靭帯がおかしいままなので、再脱臼することが多いのです

 

では、手術なら完全に治せるのでしょうか?

 

実は、これも一筋縄ではいきません。

せっかく手術を実施しても、再脱臼をおこすことがあります

犬・猫が手術後安静にしてくれない、

手術時すでに関節の変形が重度である…など要因は様々ですが、

「これならば確実に治せる!」という手術方法はありません

 

それゆえ、現在小動物医療の現場では、

関節脱臼への治療法として、幾通りもの方法が提案され

日々新しい、より良いものがないかと研究されています

 

今回、小動物整形外科のスペシャリストである、

麻布大学の藤田先生、

日本大学の枝村先生、

DVMsAMCの小林先生森先生、

マーレ動物クリニックの種子島先生、

D&C Phisical Terapyの長坂先生により、

肩・肘・股・手根足根各部位の脱臼について、

現在提唱されている治療法の是非など詳細にご講演いただきました

 

とても盛りだくさんな講習会でした

明日以降の「外傷性脱臼」の診断と治療に役立てていきたいと思います

 

 

 獣医師 川口

 

セミナー参加報告(エコー実習 宮林先生)

2016.10/20、横浜で開催された

iVEAT主催の超音波実習のセミナーに

勤務病院の院長(本庄犬猫病院 山本先生)のご配慮で参加させていただきました。

 

講師:宮林 考仁先生

※ アメリカ獣医放射線学の専門医であり、

 画像診断の権威でいらっしゃる方です。

講義内容:全6回コース 第1回 超音波の基礎について

 

超音波って?

音は、空気を振動して伝わります。

その振動を数値にしたのが、周波数(Hz)です。

音が高いほど周波数は高くなり、

ある基準を超えるとヒトは聴取できなくなります。

この、「ヒトの耳で感受できない音」を、超音波と言います。

 

超音波検査って?

超音波には、一定方向に強く進む性質があります。

これを利用し、生体の内側に向けて超音波を発信し、

そこからかえってくる反射波を画像化することで、

その部位の断面像が描出できるのが、超音波検査です。

 

毛刈りが必要ってホント??

超音波検査では、発信した超音波の反響を受信しています。

機械と生体の間に、毛が多量に存在すると、

毛の周囲にある空気が、超音波の邪魔をして綺麗な画像が描出できません。

精密検査をする場合は、毛刈りは必須なのです!

 

プローブのつかみ方

プロの料理人やスポーツ選手が、器具の持ち方から繊細にこだわるように、

腹部超音波検査においても、

「どのように機械を持つのか」というのは、とても重要です。

超音波検査機において、手に持つ部位を「プローブ」と言います。

プローブ把持のポイントは、以下の通りです。

・親指の股で支えること

・中指を腹部におしこめるように持つこと

・肘はまっすぐプローブと同じ角度にする

 

今回学ばせていただいたことを活かし、

明日からの超音波診断に役立てていきたいと思います。

 

獣医師 川口

 

 

研修参加報告(埼玉動物医療センター)

本日も、勤務動物病院のご配慮により、入間にて研修させていただきました

研修先:埼玉動物医療センター(入間)

指導教官:石川先生(同センター副院長)

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スタッフさんの前で、犬のキシリトール中毒に関する論文紹介の機会をいただきました

少し緊張しましたが、大変勉強になりました!

センタースタッフの皆様、ありがとうございました

発表内容の詳細は、以下をご参考ください

文献紹介(犬のキシリトール中毒) - 飛鳥山動物病院 徒然スタッフ日記

 

獣医師 川口